読書

 暑くて蒸し蒸しする中でもまだ時折ふく風がいくらかでも涼を運んできます。今週末には梅雨明けかといわれるとほっとするよりも空恐ろしくなるこのごろです。私は体調が悪くなる事があまりないのですが、ただ単に気が付かないだけかも?しれません。市役所からがん検査の通知が来ました。年々検査項目が増えています(笑)。何事もなくすませたいものです。


 最近ずっと宮尾登美子さんの小説を読んでいます。「天璋院篤姫」からはじまり、今は彼女の自伝的小説「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」の連作を読み終えました。次は「岩伍覚え書き」というスピンオフ作品も読みたいなぁーと思っています。「櫂」の主人公は喜和という人で結婚してからの波乱万丈を描いた作品。「春燈」「朱夏」「仁淀川」は主人公は綾子はその血の繋がらない娘です。戦時下で満州に行き、やっと戻ってからも姑との習慣の違いでとても大変だった様子が克明に描かれ興味深かったです。


 特に、農家では嫁入り道具に衣装箪笥がなかったことを何年もたってから義母にいわれて苦悩するというシーンにかなり今との差を感じました。町育ちの綾子が田舎で戸惑い、頻繁に町の実家に行く。それも村では白い目で見られる。戦争の火は農家の因習を変えるまではいたらなかったのか…と感じました。


 本は私にいろんなことを教えます。また様々な世界を見せてもらうことで私の想像を掻き立てます。暑い夏の密かな息抜きです。