ゴールデンウィーク真っ只中です。なんだか皆さんの行動パターンがいつもと違うようで、朝は無人の街を一人自転車で疾走し、夕方はのんびり歩く人々の群の中を疾走している状態です。批判を承知で日常に戻ってほしいような?気がしている私です。我が家はみんな平常運転なので余計にそう感じています。
さてさて、やっと一つ本を読み終えました!ドストエフスキーの「白痴」です。長い話でした。ですが展開にバラエティーがあったので飽きずに読むことができました。「カラマーゾフの兄弟」よりも劇場的な要素が強いように感じられました。芝居化を意識してかかれた作品だったのかなあ~と思いました。主人公の公爵が白痴で純粋で高潔で...悪く言えば世間知らずな性格です。ヒロインはふたりいてその恋愛について書いた...というには宗教の問題とか市井での暮らしとか、貴族社会のあれやこれやとかふんだんに要素があって、一概にこれということの難しい物語でした。
最終的に主人公は結婚式当日に花嫁と男に逃げられ、逃げた花嫁はその相手に殺害される。主人公はまた白痴として療養に戻るという誰も報われないお話でした。最後は超特急で展開していったので、あらあらあら~という感じです。
作品の中にハンス・ホルバインのキリストを描いた作品が出てきてとても象徴的に描かれていました。死体以外は何も装飾のない作品でこのキリストがよみがえったらちょっと怖い...神々しくないという印象の作品。青白く腐敗臭がしてきそうな作品。ドストエフスキーも神としてのキリストよりも死体ということをまざまざと感じる表現で作品を描写しています。
ドストエフスキーのキリスト教にたいする解釈の象徴のように感じました。次は何を読もうかな?と活字中毒の私。ゴールデンウィークも変わらないルーティーンです。