作品紹介29

  


 冬が近づいてくると、自然界では色味のある植物が減っていきます。その代わりに実をつける木々がとても目につくようになりました。ミカンや金柑、ゆず等もそうですが、南天や千両等の赤い実も綺麗です。今日は立冬であり、鍋の日でもあるそうです。確かにこれからは鍋物が美味しい季節です。



 冬来るですが、春の作品をご紹介させていただきます。「ときめき」F3号・油彩画です。ハルメキサクラという比較的新しい種類の桜です。神奈川県の南足柄市にあった無名実生種から枝変わりした品種とされています。ハルメキサクラは足柄桜とも書きます。名の由来は同市の名誉市民である富士写真フイルムの創設者の名によります。ソメイヨシノとエドヒガンサクラとの掛け合わせなのでソメイヨシノの後継者のような桜です。



 ソメイヨシノはいま寿命をむかえています。桜の寿命は60から100年です。しかも日本のソメイヨシノは全てクローンなので寿命が一緒...ですからある年から一斉に枯れ始めるのではないかといわれています(@_@)!桜好きの日本人には耐えられないことです。その後を引き継ぐのがハルメキサクラ?になると目されているようです。昔からあって当たり前な桜にも様々な課題があるようです。



 桜をモチーフにされる画家はとても多いです。特に日本画では桜だけを描き続ける方もいらっしゃいます。ヨーロッパには桜がなかったので当然描かれていませんが、日本の影響を受けたゴッホは桜のかわりにアーモンドの木を描いたといわれています。私も桜を描くのがとても好きです。毎年毎年新しい発見があって描いても飽きることがありません。