循環する植物



 北海道旅行が終わってからテレビなどで北海道のことが話題になっているとついつい目がいってしまいます。特に釧路や知床が出てくると...(笑)。それだけ私にとって印象が濃い場所だったのです。植物、動物、街並みや田園風景...どれをとっても新鮮で興味深い旅をしたなあ~と思います。



 知床湿原にはミズナラとトドマツがたくさん生えていました。ミズナラはドングリの木、トドマツはクリスマスのもみの木に似た木です。どの木もあまり大きく育たないうちに倒れてしまうのだそうです。知床半島は火山が隆起してできた半島で土があまり深くなくすぐに岩に到達する土地だということです。実際に歩いていても大きな石のかたまりがゴロゴロしていました。木はその石に絡み付くように根を張ってなんとか直立している状態なのです。



 ですから必然的に大木になる前に倒れたり枯れてしまうのだそうです。北海道は寒いので木の成長もゆっくりです。樹齢三百年でも古木になるそうです。沖縄や屋久島などで見る大木とは違うはかなさを感じました。木は枯れても出来る限り取り除かずに放置するのが知床湿原のルールなのだそうです。朽ちた木は苔や藻の繁殖地になります。また新たなミズナラが生える場所にもなるためです。自然の循環を大切にしているのだなあと感じました。



 知床に生息していた大きな水芭蕉がヒグマの食料になっていると以前書きました。これはただ単純にお腹がすいて食べているわけではないのだそうです。ちょうどこの時期はヒグマが目覚めて活動を開始します。冬の間食べたものが全て腸の中に溜まっている状態なのだそうです。それをうまく排泄するために、ヒグマは水芭蕉の根を食べます。あまり食べ過ぎるとお腹を下してしまうので適度に食べます。水芭蕉はヒグマの整腸剤になっているのです(@_@)!!



 そしてこの時期はヒグマの恋の季節です。水芭蕉のある場所は出会いの確率がとても高い場所です。ですからこの時期知床湿原はヒグマが出没しやすくなるのだそうです。実際に私たちのツアーの前にも無線でクマ遭遇の知らせが入っていました(道から離れていったということでツアーは続行)。ガイドさんは人間がヒグマのすみかにお邪魔しているという姿勢を持って行動してほしいとおっしゃっていました。ツアー中はヒグマやエゾジカの足跡、糞等も多数ありこの近くにいるんだという気配を存分に満喫できました。



 あーこうブログを書いていても北海道が目の前にちらつきます(笑)。きっと道南や道北ではまた全然違う北海道があるんだろうなあ~と思うとドキドキしてきます。三泊四日の旅行は確実に私の心に大きな足跡を残したようです!!