梅雨入りしてから急に天候がおかしなことになっています。昨日は私の住む地域でも突然雹が降り、ものの五分足らずで止むという現象がありました。山間部では落雷等も発生しているようです。今日もその不安定な天気は続いています。暑いなあと思ったらヒューっと冷気が流れ込み、激しい雨が降ってきました。
基本的に私は雨が嫌いではありません。好きと言いきれる訳ではないのですが嫌いではないという感じです。雨をテーマにした作品ですぐに思い付くもの。ウィリアム・ターナーの作品の傑作「雨、蒸気、速度--グレート・ウェスタン鉄道」です。長いタイトル、印象に残る作品です。最初は中学校か高校の教科書で見ました。モヤモヤとした絵の具のなかにぼんやりとした蒸気機関車の黒い影が描かれています。横殴りの雨の激しさに負けない蒸気機関車の力強いエネルギーが感じられる作品です。当時最先端だった機関車に作者がとてつもない関心を寄せていたことがうかがえます。
昔から人間は自然に立ち向かって生きてきたように思います。上下水道を整備したのも、ガスを使うようになったのも、何が起こるか分からない自然に抵抗し少しでも安定いた生活を送るための先祖の知恵の結晶です。ですが...それがいきすぎてしまったのかもしれません。自然に抵抗するあまり、自然の恩恵をないがしろにしているところがあったのかもしれません。それが近年の尋常でない気象や地震、津波に繋がっているのかもしれません。
コロナ禍でハワイの海に大きな魚たちが戻ってきたと言います。中国でも一時的に空気が良くなったとききました。皮肉なことですが、コロナは私たちにそんなことを教えてくれるものになっています。本当に皮肉なことです...。