私がパリにいたころ、一度だけ入院したことがありました。お風呂場で頭を打って脳震盪をおこし、町医者からパリ市立の病院に救急車で搬送されたのです。とにもかくにもまさかこんな間抜けなことで入院するとは思ってなかったので、軽くパニックになりました。
日本語が使えない普通の病院です(パリ郊外にはひとつだけ日本人のいる病院があります。)。まずは意識がはっきりしているかお医者さんが西暦何年の何月何日か?と私に尋ねました。ボーッとしている私、日本語ではわかるけれどフランス語に変換して...とあたふたで答えた記憶があります。
その後精密検査のためにCTにまわされ、腕っぷしのしっかりした入れ墨バリバリの検査技師のもと検査を行い念のためと入院しました。入院といってもベッドがなくて待合室前の廊下でキャスター付きの簡易ベッドでしばらく待つことになりました。同じようにまわりには簡易ベッド上でうごめく人々...呻き声も聞こえてちょっと怖かったです。
部屋は一人部屋で、簡単で不味い食事をいただきました。頭からちょっと血が出ているだけだったから念のために三日いるように進められましたが、私は誰とも連絡とれない状態でここにいることはできないと思い、無理やり一晩で退院させてもらいました。救急車代と入院費で40万位(この頃1ユーロ100円未満です。)(@_@)!!!海外保険に入っていたので全額賄えましたが、た、高い!海外は医療費が半端ではないということを身をもって実感しました。
今、ヨーロッパでは空き病床の確保がうまくいっていないようです。平時でも私のようにベッドの空きを待つ状態ですからさもありなんと思います。加えて保険に入っていない人が多いから、病院に行かない...(^o^;)行く習慣がない。困った事態が容易に想像できます。
日本のように病院が高齢者の憩いの場のようになっているのもなんだかなあ~とは思いますが、本当にこんなに身近に病院がある国も珍しいのではないかと思います。