テンペラ、天ぷら?

 昨日はまた台風か?と思いたくなるような荒れた天気になりました。今年初めて寒いと感じましたし、ちょっと風邪気味になってしまい喉がカラカラしています。今日は一転して秋晴れです。富士山が雪化粧をしています。

 この間本当に久しぶり、5年以上ぶりに天ぷらを揚げました。天ぷら鍋もなくてステンレスの小鍋を使い色々なものを揚げました。天ぷらはご存じのように小麦粉を溶いてから具材をつけて油で揚げます。この天ぷらの語源、実は絵画の歴史と関係があります。

制作中の風景
制作中の風景

 テンペラ画という技法があります。私も大学生時代やパリにいっていた時代にこの技法を使って作品作りをしていました。これは油絵が始まるよりももっと昔からあった技法で、卵黄とかオイルとかを混ぜた溶液に顔料(色の粉)と溶いて作品を描いていきます。油絵より早く乾きますが、絵の具にのびがなく色のグラデーションが作れないのが難点です。筆のタッチを重ねていくことで作品を作ります。

 テンペラはtemperareと書きます。意味は「混ぜること」です。卵とオイルを混ぜるからでしょうか。そして天ぷらの語源はポルトガル語のtemperoです。これは「肉魚を粉につけて油で揚げること」の意味です。それが天ぷらになったのでしょう。で、このtemperoはラテン語で「混ぜること、均一にすること」を意味します。これが派生してtemperareとtemperoになる→ポルトガルから日本に入り天ぷらとなった。うーむ...。

 元を辿ると言語は面白いです。絵画と料理はにているのかもしれない。知り合いの画家に料理好きが多いのはそのせいかもしれない。と思いを馳せてしまいます。ちなみにtemperoはtemperature(温度)の意味にも派生していきます。温度を均一に?ということかしらん。

 テンペラ画は一時チャレンジしていましたが卵とオイルを混ぜた溶液の保存と始末に困って腐らしたり、卵とオイルが分離してうまく溶液を作れなかったりでやめてしまいました。テンペラ画は鑑賞のみになっています。