絵を観にこられる方々と私は作品のよく描き込まれた部分の描写や、色の美しい部分を話題してお話が広がっていきます。しかし画中には主役以外の場所ももちろんあってその部分が名脇役になってより作品をよく見せてくれます。
今回の大きな作品にもそういった部分があります。藤棚の棚を支える支柱や地面、その奥に広がる池の部分です。ここを描くのは結構苦労しています。垂直に、あるいは水平に直線を引くこと....これは地味に難しい作業です。絵筆なのでちょっと力がかかるとぶにっとはみでる。直線が歪む。何回も描いてやっと直線になります。
人間の目は敏感に水平垂直、直線曲線を判断しているようで、少しでも狂うと気になって気になってせっかくの描写も色の美しさも台無ししになってしまいます。ですからこれはとても重要で神経質になる作業です。
今回の作品にはたくさんの垂直線が並びました。息を詰めてすーっと、すーっと引いています。
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