私が、作品を描いているとき一番気をつけていることは全体の空気感です。どんなに細部が細かく描かれていた
としても作品全体を取り巻く印象が私の感じた画題のイメージと合わないと削ったり色を重ねてちょっと潰したりしています。
今制作しているこの作品もそんなことを考えて、全体のトーンや大きな空間を出すための作業をしました。F3号の作品の中に俯瞰した長崎港の景色を作り出そうというのですから一筋縄ではいきません。雄大な景色を小さな画面から感じ取ってもらわなくてはいけないのですから。
この前細密に描き込んだ画面はパラパラしてオモチャのようでした。今日はそこに流れる空気を出すための色を重ねました。
この作業は一見するとマイナスの作業に見えます。しかしこれがもっとも完成に近い印象を作ることができる方法だと私は思っています。
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