小さな作品ですが、埼玉県川島町・越辺川(おっぺがわ)の白鳥を描いています。白鳥は冬に日本にやってきて越冬し、またシベリアに戻ります。この川はそんな白鳥の住処でした。餌を探しに行っていた彼らは、夕方になるとこの場所に戻って羽根を休めます。
夕方になるとここはとても寒く、風がビュンビュン吹いていました。さえぎるものが無い野っ原、それでも10人くらいのカメラマンが戻ってくる白鳥の姿を捉えようとしていました。私もそんな彼らに紛れて白鳥の飛来を観察しました。目から自然に涙が出るくらい寒くてしょうがない場所でしたが落日の空の中こちらに向かって飛んでくる白鳥は迫力があって、野生的な力強さを感じました。
お伽話の中の優雅な白鳥とは違って雄々しく、生きる力がみなぎっている気がしました。そんな白鳥の姿を銀色の光の中で描きたいと思って作っている作品です。
※作品は150×150mm、油絵・銀箔です。
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