毎年相模大野の大野公民館で行なっている文化講座でマネのレクチャーをする事になりました。暑くてぼーうっとしてしまいそうな頭のリフレッシュにマネの本を読み、資料作りです。
マネは「近代絵画の巨匠」という風に呼ばれる事が多いですが、印象派のモネやルノワールと一線を画して作品を制作していました。戸外でイーゼルにキャンバスを立てるために印象派の画家は小さな作品を作ることも多かったのですが、マネはあくまでサロンに出す作品を主軸に作品を作っていたので大きなたっぷりとした作品もたくさんあります。
マネは壊疽をおこして左足を切断しその10日後になくなりました。遺作となったのが「フォリーベルジュール劇場のバー」でした。これがサロンに出品した最後の作品です。大きさは96×130mm、大作です。病に侵され、歩くのもやっとだったのにとてつもない意志の力だと思います。この画面に溢れる夜の光の乱舞、タッチの力強さ…キャンバスの前では衰えを見せないからの作品世界に改めて感じ入った次第です。
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