花の色、移ろう色

 春真っ盛りの今、花々が咲き乱れます。私も植物、主に花を描くようになり近所を散策するときにも花の色や形を意識して眺めるようになりました。

 写真は近所で取材した花々の一部です。桜が終わった今、我こそが主役だとばかりに色とりどりの花が咲いていました。また葉の緑にしても、真夏のそれとは違い淡く、柔らかい色をしています。この季節は私にとってとても取材に適した時期と言えます。「命のきらめき」をテーマにしている私にとって春は様々なものが生まれる時である今は森羅万象が画題となります。日本に生まれてよかった!四季があってよかった!としみじみ思います。

 

 昔の日本人は私以上に色に対して敏感だったようです。和歌や、俳句、随筆、、、たくさんの色の名前があります。

 

①「茜草指(あかねさす)/紫野(むらさきの)行き/標野(しめの)行き/野守(のもり)は見ずや/君が袖(そで)ふる」(万葉集)

②「つき草の/移ろひやすく/思へかも/ わが思(も)う人の/言(こと)も告げ来ぬ」(万葉集)

①には茜色、②には月草色(露草色のこと)が印象深く使われています。でもきっと今の私が思う茜色と当時の方が感じた色は異なっているのでしょう。。一体彼らにはどんな色の世界が見えていたのか、興味深いです。