私が尊敬する作家のひとりに、今年大学を卒業する方がいます。まだ20代、イレブンガールズとして最年少です。ですが、もう3年間一緒に作品を展示してきた同期の作家です。ですから経験も豊富で、作品もとても夢のあるロマンチックなものです。
これが彼女の作品です。明石恵(あかしあや)さんといいます。スクエアーの画面にぎゅっとに押し込められた少女を描いています。これは彼女自身だそうです。彼女は大学という箱の中にいます。いわば「箱入り娘」です。この描かれた人物も画面に入ってそこから出たいような出たくないような物憂げな顔をしています。
作品には螺鈿や金、アクリル樹脂、様々な素材が使われています。若手ながら巧みに技法を使う姿に頭が下がりますし、とても研究熱心なんだなあと感じます。
技術もそうですが私が一番彼女を尊敬するところは、大学生の時期にもう将来作家を生業にする手段を考えていたことです。私が大学生のころは、ただ絵を楽しんで描いていただけで具体的にそれが将来にどう関係していくのかとか、仕事になるのかとかそういったことを漠然とでも考えることはありませんでした。またそういう人が今も大半だと思います。その中で彼女は、それを考え具体的に行動し、若くして百貨店展示を積極的にこなしています。早熟だと思います。そしてタフだと思います。
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