絵画の暗喩

 当時の文化と絵画の関係はとても深いです。私はそういうことに注目して絵画を見ることがとても好きです。文字が書かれていないのに絵本を読んでいるような気がします。

 これは、ブリューゲルの描いた、「子供の遊戯」という作品です。当時の遊びをこれでもかというほど詰め込んだ作品です。お手玉、人形遊び、かくれんぼはもちろんのこと、スカートを膨らませて遊んでいる女の子、泳いでいる子(ちょっと寒そう!)本当にさまざまです。一体いくつの遊びがあるんでしょう。ブリューゲルの観察眼の深さに脱帽です。

 

 ブリューゲルはこう言った「読める絵画」をたくさん描いています。中にはキリスト教の教訓がたくさん含まれているものもあります。識字率の少なかった当時、キリスト教を広めるために宗教画が生まれました。教会の中に整然と並ぶ大きなキリスト、マリア、聖人の像、この世のものとは思えないその荘厳な姿に、人はこの世ならざるものを感じたのでしょう。しかし、それはカトリックの間でのことでした。プロテスタントでは偶像崇拝を禁止しています。ですから、直接神々を描いた作品の受注は少なかったのです。その中から寓意画というジャンルが生まれました。このことについてまた次に書こうと思います。