あぶら縁、デッサン縁

 額縁には大きく2つの種類があります。私も百貨店で展示するようになって額縁を作るようになって知りました。学生時代は、展示の時、さほど鑑賞してくださる方への見やすさを考えず、ただ自分の発表会感覚で作品を作っていたので額縁の重要性を考えていなかったせいです。

 デッサン縁は、薄くて軽いものです。一般に日本画、水彩画等を入れます。紙媒体のものを入れるのがこの額です。額と一緒にマットと呼ばれる厚手の紙を額と作品の間に挟みます。作品と額が接触せず、絵が傷つくことを避けるためです。

 

 懇意にしている額屋さんはこのマットのカッティングがとてもオリジナルで繊細です。今は機械でカットすることが多い作業ですがこの方は一つ一つ作品の個性に合わせてカットの角度や、色など微調整されます。「ミリ以下の判断でカットしている」とおっしゃいます。まさに職人芸です(^^)


 ※写真は、「親子舟(鞆の浦)」14×18cm

 あぶら縁は、油絵を入れるための額縁です。キャンバスは木枠の厚みがあるので自然と額縁も厚く、重たくなります。またデッサン縁より高価です。(額の加工にもよりますが…)

 

 あぶら縁の場合もやはり作品の保護としてライナーというものを作品と額の間に挟みます。マットと同じようなものですが、紙ではなく木でできているのが一般的です。

 

 ※写真は、「乙女のしとやかさ(カラー)」10×15cm

 額とマットと作品の組み合わせを額のプロの方と話し合いながら決めていきます。こちらの意向とプロの専門的な意見が交錯し、納得のいく美しい作品が出来上がると、とても幸せになります。気に入った子ども(作品)に最高の化粧を施して、お嫁(展示)に出してあげたいといつも考えています。