命には、静と動があると思っています。前者は、植物。木、花、また岩などもそうだと思います。動くことはなく、話すことも、食べることもないけれど確かに生きていて私たちに何か訴える力を持った生命です。後者は、私たち人間をはじめとした動物、魚類、昆虫、など話し、食べ、眠る…生きていることがありありとわかるものたちです。
私にとってどちらも同じように魅力のある、美しい対象です。どちらか一方に偏ってしまうと、バランスが悪くなってしまいます。静のなかだけに身を投じれば静かすぎてさびしくなってしまうでしょう。動のなかだけでは疲れ切ってしまうでしょう。どちらもとても愛おしく、代えがたい存在だと感じています。
上の作品は㊧「楽園」14×18㎝・油絵具と、㊨「優美(干し柿と蝶)」27.3×22.0㎝・油絵具です。どちらも夏から秋への移り変わりを表現したいと思って描きました。
「楽園」はこれから黄色く色づくだろうイチョウと夏を満喫したミツバチが、秋に向かっていく様を表したいと思いました。ミツバチの季節は終わり、今度はイチョウが主役となります。「優美(干し柿と蝶)」も同じ考えから描いたものです。干し柿の時期に向かっていく蝶のはかない美しさを表そうと思いました。
季節感の対比とともに、静と動の対比でもあります。時間の中変化するはかない二つの命を一枚の絵の中に表現しました。Commentariesの中で描いたように「生命の輝き」をテーマにしたいと思う中で、生まれた私の大事な作品(子ども)たちです(^^)
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