私は100%油絵具を使って作品を描きます。具象画を描く方の中にはテンペラ絵具の技法と油絵具を併用している方も多いようですが。私は使いません。テンペラの方が早く乾き線がシャープに出ます。でも油絵具のように絵具のグラデーションが作りにくいのです。
写真は使っている絵具の一部です。今はメーカーの研究がとても進んでいて昔なら考えられなかって色もどんどん開発されています。私が好きな色はオペラと呼ばれる蛍光ピンクです。当然のことながら人工的に作られた色です。これを最初に使ってから乾かして、他の色を重ねると色の発色が美しく感じられます。
油絵具の魅力は、主に印象派に見られる厚塗りの力強さと、古典技法にある薄く塗り重ねた色の深さがあると思っています。私はどちらかというと後者の魅力を作品に使っていきたいと思っています。薄く塗り重ねた絵具の層はセロファンを何枚も重ねたような感じでしょうか…。
うまく言えないのですが、空気は層になると、青みがかかってきます。富士山が青く見えるのもそのためです(富士山の土は茶色)。水も深海ちかくなると青く見えます。その青はとても深く何とも言えない透明感を持った輝きがあります。その自然の魅力を油絵具で表現したいと思っています。作品に青を使ったものが多いのもそのせいかもしれません。風景や植物を通してそこにある大気を感じていただきたいと切に思っています。
※下の作品は㊧「トンボのめがね」38×45.5㎝・油絵具㊨「舞う(蝶)」45.5×38㎝・油絵具です。
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