狩野三代



 東京でも桜の開花宣言が出されました!今日は春分の日、まだまだ風が冷たく寒い日があるようですが着実に春が近づいてきました。アトリエ近くのソメイヨシノも少し花が開いていましたし、それ以外の蕾も今にも咲きそうな色をしています♪今年はどこの桜を取材しに行こうかとワクワクしてきました(*´∇`)♪



 狩野派に関する小説を読んで自分なりに調べたりしています。共通しているのが狩野三代の作品の扱いです。二代目の狩野元信は狩野派の繁栄を築いた立役者です。当時勢いのあった土佐派と婚姻を通して関係を作り上げ狩野派を大きくしました。狩野派の絵柄を作るためにたくさんの粉本(模写のための見本)を残しました。それを使って弟子たちは作品を描きました。狩野派の質を保ち、大量に作品をこなすシステムを作ったのです。元信の作品は写実を基にしながら描かれたとても秀逸なものだと思います。



 三代目の狩野松栄についてどの本もいささか扱いが悪いように感じます。元信のシステムを踏襲した人...画才は父にも息子永徳にも及ばない...なんだか地味な扱いです。ですが、私は結構好きなのです。もしかしたら永徳より好きかもしれません。永徳に比べると派手さはないものの線が柔らかく、ゆったりと観れる作品が多いように思うのです。特に動物を描いた作品は好きです。猿や虎に愛嬌があります。



 四代目永徳は説明するまでもなく迫力のある作品で安土桃山時代の代表的な作品を描いた人です。金箔を多用し時の権力者のお抱え絵師として作品を作り出しました。洛中洛外図、唐獅子図など代表作が多数あります。これでもかこれでもかというくらい好戦的で、まさに時代を反映した天下人に愛される作品です。ですが私にとってはちょっと?かなり?強すぎる作品です。寄り添ってくれないというか、むしろ彼や彼の弟子達が描いた扇絵の方が小さい分楽に観られる気がします。



 ...と、私のようなものが偉そうに知ったかぶり出来るような人達ではないのですが...(^o^;)。私は松栄の扱いがもう少し上がってきても良いのではないかと感じています。偉大な父、出来すぎた息子に挟まれて葛藤もあっただろうけれど作品を作り続けた彼の功績を是非どこかで取り上げてほしいと思うのです。